空気>法律。
まろちゃんです。
電通に「強制捜査」-今までと何が違うのか(渡辺輝人) - 個人 - Yahoo!ニュース
90人規模の捜査態勢で、異例の規模のようです。
国が、漸く重い腰を上げましたね。
テコでも動かないような状況かと思ってましたが、電通がテコになったようです。
平成27年の厚労省 東京労働局の定期監督等の実施結果プレスリリースです。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0142/3848/2016519144149.pdf
違反率、75.7%。
平成26年は、72.8%
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0140/2447/2015820192343.pdf
平成25年は、71.1%です。
年々増えてます。
時間外労働のみに関して言えば、割合は減少してますが、総実施件数が大きく増えてるので、実態はそこまで変わっていないということかと。
自転車の道路交通法並みに守られてない気がする。
(左側走りましょうとか、歩道は走ってはいけませんとか、そーゆーやつ。)
みんな、法律じゃなくて空気を守っている。
空気遵守法でも存在するんか、っていうくらい。
会社の就業規則にも、「空気を読んで、それに従うこと。」
とかありそうなくらい、みんな空気を守りたがる。
上司と先輩が作る、空気
上司は言うんですよ。
「残業はちゃんとやった分だけつけろ。」って。
「早く帰る工夫をしろ」って。
でも、入社1年目、2年目、先輩はこう言うんです。
若いうちの残業は、勉強だから、残業じゃない。
早く帰って、朝早く来てやれ。
朝早く来て、その分早く帰れ。
お前一人が残業が多いと、上司や周りに迷惑がかかる。
いやいや、おかしいでしょ。
もちろん、新人なので、いろんな知識や経験が不足してます。
仕事における段取りだって、わからないことも多いです。
1つ1つの業務、作業に時間がかかるのは、当然のはずです。
10月に、地方に転勤になった5年目の先輩の業務を7割くらい引き継ぎました。
5年目の先輩でも、毎日23時上がりとかそんな感じでした。
スーパールーキー以外無理。
朝7時前に来て、終電は24時。
毎日17時間くらい。
会社が労組と締結してる36協定は、
・月間45時間以内の時間外労働
・年間360時間の時間外労働
に抑えること。
45時間を超えると、業務是正報告書の提出を求められ、
80時間を超えると、産業医面談が義務付けられる。
そんな感じでした。
1ヶ月の営業日数を20日とすると、
45時間÷20日=2.25時間/日
定時が8:30〜17:20なので、
毎日19:35には帰る必要があります。
向かいの席にいた先輩(年齢は15個くらい上)は、いつも最低でも21時くらいまでいました。
蓋をあけると、あら不思議。
毎月の平均が30時間台なんです。
毎週月曜朝にmtgがあるのですが、自分だけ槍玉にあげられるわけです。
凄いんです、周囲の非難の目が。
「あーあ、やっちゃったよあいつ。何やってんだよ。」
みたいな顔。
で、冒頭のご意見をを頂戴するわけです。
向かいのいつも最低21時まではいる先輩なんかも、
「あれはまずいよ。」
なんて言ってくるわけです。
残業を多くつけると、費用対効果の面でも仕事ができないということで評価が下がる。
「お前は仕事ができない」
という烙印を押されることになる。
最後に困るのは、お前だ。
何て言われる。
だから、
「うまくやれ。」
と。
周りからの避難の目、残業是正報告書の作成、日々の疲れ、etc...
ちゃんとやるのも、馬鹿馬鹿しくなる。
ちゃんとやると、痛い目を見るんですから。
それで、申請はというと45時間以内になります。
44.6時間とか、44.9時間とか。
それでも、45時間を毎月続けるわけにはいかないんです。
だって、45時間×12ヶ月=540時間。
360時間を、180時間も超えてしまうんですから。
法律って何?ってなります。
法律=目をつぶるもの。
何も変わらない理由
とにかく、がんばって、うまくやる、という空気があります。
「俺たちも昔はそうだった。(だからお前も、同じようにがんばれ)」
て、先輩はこぞっていいます。
「昔は良かった。今の世代は大変だと思う。(けど、昔と同じようにがんばれ)」
「残業しないで、朝早く来て(がんばって)やれ。」
「昔はPCも携帯電話もなくて不便だった、今は本当に便利になった。(から、その分がんばれ)」
とにかく、がんばってれば評価されたんです、きっと。
がんばって長時間働けば、売上も増えて、評価も上がる。
がんばった成果は、自分のもの。
昔は苦労したからこそ、今は経験を積めて、やり方を覚えて、その分早く帰れてる。
だから、若い時はとにかく苦労しろ。
労働生産性について、考える必要もなかった。
それで、今の時代。
労働生産性をどうやって上げるかというと、残業時間を少なく申請する。
140時間の所を、100時間で申請する。
残業は、してないことにする。
もちろん、1時間あたりの成果は上が(ったことにな)ります。
その方が、評価も上がるよ、と。
それが、会社のために働くことだよ、と。
みんなそうして働いてきたんだよ、と。
法律よりも、空気を読んで、守ること。
11月は、厚労省によると、過重労働キャンペーン期間のようです。
厚労省自身にも、従業員の労働時間についてデータを公表してほしいですね。