まろちゃん の ぶろぐ。

思っていることを、それとなく綴ります。

電通過労死の件。

まろちゃん です。

 

 

世間で騒がれている、電通の過労死の件。

 

2015年12月25日、クリスマス。

 

電通新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)が、都内の社宅から、身を投げた。

 

うつ病と診断される前月の、ひと月の残業は105時間であった。

 

彼女の当時のTwitterには、その時の心情がひしひしと感じられるツイートが連なっていた。

 

三田労基署は、電通に立入調査に入った。

 

実は、その4ヶ月前には、勧告がなされていた。

 

という、報道。

 

105時間で過労死とは情けない、という発言をした教授がバッシングを受けている。

 

1ヶ月を30日、完全週休二日制とすると、営業日は22日。

 

1日平均とすると、105÷22=約5時間弱。

 

電通の定時は9:30〜17:30らしいので、単純に考えると、22:30までは働いていた計算。

 

 

率直な感想、毎日22:30まで働いていただけでは、自殺までは至らないと思うんです。

 

ですから、武蔵大・長谷川教授はその数字でだけ見て、「105時間で自殺とは情けない」なんて、ぽろっと言っちゃったんじゃないかと思います。

 

彼女についての情報は詳しくは存じ上げないが、東大生で、どこかしらの研究所やゼミに入っていれば、その活動に多大な時間をかけているはず、という概念が、大学教授側にもあったんじゃないでしょうか。

 

とはいえ、彼の発言を擁護するつもりはさらさらありませんけど。

 

違法は違法。情けない云々じゃないんです。

 

「情けない」と思わせてしまう社会の方が、よっぽど情けない。

 

メディアに対して、電通は力を持っています。

 

現に、この1年は電通に関するニュースが数件飛び出していますが、いずれもいつの間にか抑え込まれている、みたいです。

 

それにもかかわらず、今回の過労死の件は、様々なメディアで報道され、記事になり、ブログで取り上げられ、Twitterでも盛んな議論が繰り広げられています。

 

それほどまでに、問題は大きいと、誰しもが思っているということですよね。

 

また、過去に過労死認定がされているにもかかわらず、その是正がされていない、ということも大きいですね。

 

なぜ、同じ過ちを犯すのだ、と。

 

電通という大きな会社の問題がゆえに、皆さん色々言い易いんだと思います。

 

そして、この流れは一つのムーブメントのような気もします。

 

今まで感じていたにもかかわらず、発言することができなかった人、耐え続けてきた人の怒りと哀しみのエネルギーが、堰を切ったように溢れ、止まることなく溢れ続けています。

 

そして、怒りと哀しみが溢れ続け、流れてそうして満ちた湖に、東大卒エリート美女が身を呈し、死をもって一石を投じました。当時ざるをえませんでした。そこから生じた波紋を、周りから見ていた人たちが次々と大きくしているような、そんな感じがします。

 

電通だけが、悪いのか。

 

広告業界だけが、悪いのか。

 

これって、圧倒的に、日本の社会が悪いです。

 

 

広告業界の中に位置する電通は、広告代理店という括りです。

 

様々な業者(クライアントと呼ばれている)から、仕事を依頼されるわけです。

 

ということは、依頼をする側にも問題があるはずです。

 

電通は「クライアント・ファースト」の精神を日頃から植えつけられているようです。

 

クライアント・ファーストの結果、新人の彼女は過労自殺に至ったわけです。

 

途中の流れこそあれ、結果、そういうことです。

 

ということは、クライアントが、彼女を自殺に追い込んだ、とも言えます。

 

もちろん、世間で言われているように、社内でのマネジメント不足という声もあります。

 

上司が、部下に色々なことを押し付けている可能性もあります。高いです。

 

それとは別に、金曜夕方に資料の作成を頼まれ、期限が翌週の月曜、なんてこともざらにあるようです。

 

金曜の17時に頼まれたとして、定時は17:30。30分しかありません。

 

月曜の午後一番、なんて言われているとしたら、月曜は9:30に出社して、お昼休憩は12:30からとすると、3時間。

 

説明の段取りとか、その他にもトイレだって行くし、先輩や上司から何か話があるかもしれません。他のクライアントからの連絡もあるかもしれません。

 

色々考えると、資料作成の時間は、おそらく3時間もないです。

 

極端な例ですが、このような依頼が、たくさんあるんだと思います。

 

その道15年、20年のベテラン!なら、楽勝かもしれません。

 

入社して1年目、実務を始めてたった数ヶ月の新人に、そんなこと、できるんでしょうか。

 

彼女が東大卒で、どれだけ要領がよかったかはわかりません。

 

それでも、土日休日は返上で、必死に食らいついていたんじゃないでしょうか。

 

月曜までになんとか作成しても、駄目出しはしょっちゅうだったとか。

 

おまけに、「君の残業時間、20時間は無駄なことをしている。」とか、

 

「髪もボサボサで、目も充血している、女子力がないね」とか。

 

人を、コマ扱いしているようなものなのに、理想の女性像は求める。

 

会社が、上司が、間接的に手をかけたようなものだと思います。

 

 

電通だけが、悪いのか。

 

広告業界だけが、悪いのか。